「高血圧を気にしすぎるな!」ベストセラー作家の医師・和田秀樹が忠告する「高血圧数値」と「ムダな薬を減らす方法」
和田秀樹が教える「健康とお金が手に入る方法」(前編)

■薬飲み過ぎ大国ニッポン
なぜそんなに薬を飲むようになったのか。
「10種類もの薬を飲む人がいる原因は臓器別診療にあります。一つ一つの臓器について別々に診療するわけですが、ある程度の年齢になると臓器は衰えていくわけだから、年とともに検査での数値に異常が出やすくなるのに、そのつど薬を出していれば、10種類になってしまう。血圧で言えば年齢と共に血管が老化するのは自然で、少しずつ血圧も高くなる」
よく聞かれることだが、歳と共に血圧が上がっていった(仮に10年ごとに140、145、150)健康体な人が高血圧だからと薬を出され、めまいのような現象が起きて別の専門医を訪ねたら低血圧になっていて薬を出されたというパターンも。
キリンは血圧が260あると言われ、その血圧で脳に必要な血液がいく。その人の「今の年齢」での最良の最高血圧は当然個人差があるので、数値変化の経緯を治療に取り入れることは大切なのだろう。
「一人の患者に10種類も薬を出す日本がいかに特殊な医療をしているかということ。これが当たり前だと思っている人もいるし、国民皆保険のおかげでこんなに薬がもらえて嬉しいと喜んでいる人もいるかもしれませんけど、身体にいいわけがないんです」
それを変える方法は「臓器別診療を総合診療に変えること」と言う。
「総合診療は一人の患者の身体全体を診るわけですから、さすがにこんなに飲んでちゃヤバイよね、と医師も忠告できるし、身体に悪い薬は減らせる」
高血圧の基準を超えたので降圧剤を飲んだら頭がフラつき、別の専門医で血圧を上げるための薬を貰うようなムダが防げそうだ。
和田先生はその医療改革により「国民の手取りが増える」という政策を立て、先の参院選で政党を立ち上げたのだが・・・。
(後編へ、つづく)
構成:松野大介
和田秀樹(わだ・ひでき)
精神科医、作家、映画監督。1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって、高齢者医療の現場に携わっている。『70歳が老化の分かれ道』『「人生100年」老年格差』(詩想社)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)はじめベストセラー著書多数。2025年に政治団体「幸齢党」設立。
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降圧剤を飲むと死亡率が5倍に !? 脳梗塞の発症率が2倍に!?
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「降圧剤を飲むと死亡率が5倍に、脳梗塞の発症率が2倍に」
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[caption id="attachment_2895401" align="aligncenter" width="239"] 大櫛陽一 東海大学医学部名誉教授[/caption]